先日、『デザート・フラワー』という映画を見ました。
アフリカの遊牧民出身の女の子が、世界的に活躍するスーパーモデルになるというシンデレラストーリー。ワリス・ディリーというソマリア出身の女性の実話に基づいたお話です。
こういうとハッピーなサクセスストーリーように思いますが、実はその成功の陰にある女性の割礼の過酷な現実に迫った内容です。
わたしはあまり内容を深く知らず、なんとなく『プリティー・ウーマン』のようなハッピーエンドを思い描いていたので、ショッキングな内容に愕然。しばらく、とにかくこの映画のことが頭から離れませんでした。
実際のワリスは5歳で割礼を受け、女の子の通過儀礼として楽しみにしていた、との記述もありますが、映画の中では3歳の女の子がママと仲良く無邪気にお散歩に行ったと思ったら……といった感じ。思わず画面から目をそむけてしまうむごさでした。
3歳といえば、男の子ではありますがうちのチビも同じ年齢。
その土地土地で伝統や風習、価値観に違いがあるとしても、この割礼はどう考えても幼児虐待。
チビにそんなことが起こったらと考えるだけで震え上がります。それに私自身、同じ女性として、日本に生まれて、ふつうに育ててもらって本当に恵まれていると改めて思いました。
同じ母として、死ぬ可能性もある割礼を小さな子どもにほどこすことは、自分も死ぬほどつらいに違いありません。
でも、それが「あたり前」のことの中で生まれ育ったら、割礼という儀式を行わないと子どもが不幸になると思うから、子どもにとって絶対必要なことだと信じて実行してしまう。
とてもこわいことです。
程度に違いはありますが、わたしもチビによかれと思っていることが、結果マイナスになることもあるかもしれません。
子育てに正解はないとはいえ、親という責任のある立場。いつでも視野を広くもって、チビにとってベストをしっかり考えて見守り続けたいなと思いました。
なにより、ただただチビが毎日すこやかに過ごしてくれることが一番の願いです。