「パパはいつかは死ぬ」
ある夜、なんの話の流れか、夫が3歳のチビにそう話したところ、チビは大泣き。そこに登場したわたしはビックリ。とにかくなぐさめ、その夜チビは泣いたまま眠ってしまいました。
生き物が死ぬことは自然なこと。
夫としては、なにげないひと言だったようですが、大人だってなかなか受け入れがたく、特に身近な人の死には心の整とんが必要です。
3歳のチビにはとても無理で、不安にさせてしまいました。
翌朝はケロリと忘れたかのように見えたチビ。だけどそれ以後、思いがけないタイミング、たとえば帰り道の車の中や、お風呂に入っているときに
「ボクがもっともっと大きくなったら、パパは死んじゃうの? そう言ってた」
と心配そうに私に聞いてきます。
そのたび「大丈夫、大丈夫」と明るく慰めるものの、幼心によっぽど衝撃だったことがうかがえます。
恐竜が好きなチビ。図鑑や恐竜の番組などもよく見るので、「生き物は死ぬ」ということをなんとなく理解してきたのかも?
(そういえばこないだも「人間もエモノになる?」と心配そうに聞いていました。)
生きる、死ぬのことは、成長するなかで自然に学んでいけばいいこと。
まだ小さなチビをむやみに不安にさせたくないので、それ以来夫には「死ぬ話」に箝口令を敷きました。
そして後日、こんな一幕も。
チビ「ボク、もっと大きくなる?」
わたし「ごはんいっぱい食べて、いっぱい遊んて、いっぱい寝たら大きくなるよ」
チビ「ママも大きくなる?」
わたし「ママはもう大人だから大きくならない。古くなって(老いて)いくんだよ。アハハ」
そう説明するとチビは目を大きく見開いて、
「ママ、古くならないで〜〜」とウワーン!!
言葉を選んだつもりが、なんだか敏感なチビ。泣きじゃくるチビを見て、子どもがいると死ねない、ずっと元気でいなければ、と深く思いました。
それにしても……「古くなる」とは、くーっ! 自分で言っておきながら切ない。泣きたくなるのはこっちのほう?