「ごはんの前におやつはダメ」
「ほら、テレビを消して」
「くもんもちゃんとするよっ!」
こんな具合にチビ(5歳)を叱っていたら、くつろいでいたのを邪魔されたチビは目にいっぱい涙をためて
「なんでボクの好きなようにしたらあかんの?
ママは……、ママは……王様なん!?」
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王様……!?
わたしが命令ばかりすると、チビはそのように抗議してきたのでした。
王様っていうか暴君?
イライラしていたわたしでしたが、真剣な面持ちでそう表現するチビに思わずぷっと吹き出してしまいました。
いやいや、だけどこれにはわたしも抗議。
「ママじゃなくてチビのほうが王様やん!
チビはテレビを見てるだけ。ママはチビが食べたあとの食器を片づけたり、お風呂をわかしたり。
ママだってゴロゴロしながらテレビ見ていたいけど、やっているもん!!」
本音とはいえ、大人げないこの応酬はいかがなものか?
良いか悪いかわからないけど、チビはとにかく納得したようでした。
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それからチビはわたしのことを「王様」と非難することはなくなりましたが、
そのかわり自由におやつを食べたり、テレビを見ている夫を見て、
「大人はいいなー」
とときどきつぶやいています。
チビくん、大人になったら好きにしていいからね!
ママもとうちゃんも、同じようにさんざん叱られながら大人になったのだから。
それまではママのもとで、よろしくです。
それにしても、なんか「王様」のイメージ悪いな……。