チビが5歳になってから、テレビを「見ながらごはん」を禁止にしたわが家。
ある土曜日のこと、朝ごはんの前にゴロゴロしながらテレビを見ていたチビ。
案の定「見ながらごはん、食べる~!」となってしまい、夫が叱りつけたら……
チビはひとしきり泣いた後、すくっと立ち上がり、
「この家、出て行く」
とひとこと残して、静かに玄関へ行き、そのまま外に出て行ったのでした。
慌てて追いかけていくものの、チビの姿がどこにも見えずに焦りました。
「出て行く」といっても行くアテもないので、家から離れることはできないでガレージや庭に隠れているのでは?と、どこかタカをくくっていたのですが……。
オロオロと探していたら、家から出て角を曲がったところで、向こうから引き返してくるチビを見つけたのでした。
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チビはわたしと目が合うと、くるりと回れ右して、再び向こうへとズンズン歩いていきました。後ろからついていくと、チビは近くのバス停へ。
「バスに乗って遠くへ行く」と言うので「お金がないと乗れないよ」とわたしが言うと、「じゃあ、バス停で暮らす」。
よく見るとチビは長靴をはいているうえに、スニーカーを抱えていました。どうしてか尋ねてみたら
「晴れている日に必要だから」
用意周到? うーん、もっと他に必要なものがあるような……。
しばらくすると、ただベンチに座っているのがひまになったのか、チビはバス停を離れて、再び歩き出しました。
そして、そばの家へ指差して「ボク、この家で暮らす」というので、「ここは別の人のおうちで、チビは暮らせない」と言うと、「じゃあ、ばあば家に行く!」。
ばあば家は、歩いていくにはかなりの距離です。そこでチビをとめて
「大人になったら出ていっていいから、
大きくなるまでママとパパと暮らそう」
と話したところ、なんとか納得したもよう。ふたりでとぼとぼと家へ帰ったのでした。
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大人になったら家を出ていく
そうなるだろうし、そうならない方が困るのだけど、
実際口に出してみると、家を出る日もそう遠くはないような気がして、寂しくなりました。
甘えん坊のチビだけど、少しずつ、手が離れていっているのを感じます。
こないだまであんなに小さかなったのに。
ふと「3歳。初めてのママなんか嫌い」のときのことを思い出しました。
思えばこのときがチビのママ離れの始まりだったのかも?
これからどんどんエスカレートしていくんだろうなあ。